オーケストラアレンジ勉強会 第4回前夜祭(2008年12月)



◆ <ミックスであそぼう>......プレ勉強会


まだテーマすら決まらぬまま見切り発車した第4回勉強会なのですが,有り難いことに,やる気にあふれた頼もしいメンバーの方々が早くも集まり始めました.主催者としてこんなに嬉しいことはありません.まずは参加者のみなさんにお礼申し上げます.

いつも以上のまったりモードで行きましょうとは言ったものの,何もしないでだらだらしているのも何ですから(笑),少しミックスの練習でもしてみませんか.今日は第4回開幕前の前夜祭として,ちょっと20秒ほどの短いdemoを用意してみました.まずは以下の5つのトラックをお聴きください.

トラック01:弦楽器(ストリングス)

トラック02:木管楽器(ウッドウィンド)

トラック03:金管楽器(ブラスセクション)

トラック04:打楽器(パーカッション)

トラック05:低音担当楽器(弦バスなど)



すべてリバーブを切ってあります.切っちゃうと最近の音源でも本体部分はこの程度の音に過ぎないとわかりますね(笑).逆に言うとリバーブの使い方が上手ければ,2つくらい上位の音源の音が手元で作れちゃったりします.さて,ここからミックスで変身させるわけですが,上の5つのトラックを合成・ミックスすると,例えば次のようなものができます.




<エチュード:第4回勉強会前夜祭のための>
お持ち帰り用(参考mp3,約350KB)


これはミックスの一例に過ぎません.お察しのようにこの<プレ勉強会>の目的は,オーケストレーションを含む本格的なアレンジに入る前に,まず純粋にミックスの工程だけ取り出して,それに慣れておこうということなのです.いろいろ試して自分好みのサウンドへと染め上げてみて下さい.具体的な手順は,

1.持ち帰った5つのトラックをお手持ちのDAW等へ読み込ませます
2.各トラックにEQ,リバーブ,コンプレッサー/リミッターなど,エフェクトをかけます
3.必要なら一度書き出して,1つのwave(aiff)ファイルにしておきます.これがマスターとなります
4.マスターにEQ,リバーブ,コンプレッサー/リミッターなど,エフェクトをかけます
(※ mp3圧縮直前のトータルEQでは必ず15000Hz-16000Hzを十分に切っておいて下さい)
5.wave(aiff)に書き出し(アプリにより省略可),mp3圧縮して出来上がりです♪


ステップ2では,各トラックの音量バランスを調整しつつ,EQやリバーブ次第で楽器の音色が変化することを確認してみて下さい.
そしてステップ4では,マスターへのEQやリバーブで,全体の響きやサウンドが違ってくることを確認して下さい.

ミックスには正解がある訳ではありませんから,いじっていじって遊び倒すつもりでやってみてください.メロ重視バージョンや低音重視バージョンを作ってみるなど,何度もいじって遊んでいるうちに,きっと何か見えてくるものがあると思います.

提出はいちおう任意としておきますけれど,ミックスが苦手だ/まだ不慣れでよくわからないという方は,特に積極的に出して頂きたいと思います.そのための勉強会ですから(笑).いまひとつ上手く行かなかったとしても,どの楽器を前面に出したかったか,どういう点に気をつけたかなどのコメントを添えて,メールで送ってください(sangatsu032frあっとまーくyahoo.co.jp).あとはこのページに掲載させていただいて,サロンの方で検討ということになります.

時期はいつ渡して下さっても構いませんけれど,一応今のところ1月半ば〜末くらいまでを目処に考えています.あと僕はこの年末年始ちょっと旅行で不在ですのでご容赦願います(汗).


【正直どこから手つけていいかわかりませんという人のためのヒント集】

EQ基礎論 I - EQって何ですか
EQ基礎論 II - 各トラックへのEQ
EQ基礎論 III - トータルEQ
はじめての空間系リバーブ
フリーのDAW(紹介)


それでは,多くの方のご参加をお待ちしております.



◆ メンバーから寄せられた作品



(着順,敬称略.新着は色つきで表示されています)


Avanjour版 mp3ファイル
<コメント>
一番乗りを飾ったAvanjourさんのミックスです.三月版がウェット目だとすれば,こちらは素材そのものの味を生かしたドライなミックスになっています.エンベロープ処理を駆使し,箇所によって欲しい楽器を自在に取り出す様子はまるで魔術師.おかげで同じ素材から出発したにもかかわらず,個性の出たオリジナリティの高い作品になっていると思います.
改訂版 mp3ファイル
<コメント>
サロンでの意見をもとに手直ししたという改訂版です.リバーブで立体感が加わるとともに,前半後半で空気感が変わっていた点もしっかり修正されて,統一感が出ましたね.前と後ろがはっきりと出た感じがしますし,また初版の音と聴き比べると,EQにも変更が加えられているのがわかると思います.ナイスフィードバックでした.


cresc版 mp3ファイル
<コメント>
クリスマス前に届いたcrescさんのミックスです.低音を強調しハイを控えた丸みのあるサウンドが特徴で,ミキシングは全体的にウェット系になっていますね.フルトヴェングラー時代のベルリンフィルのような,しっかり下から支えられた響きだと思います.手慣れてる感じがします(笑).深めのリバーブが心地よい,ホールの臨場感を感じさせる作品です.


My World版 mp3ファイル
<コメント>
年が明けて最初に寄せられたのはMy Worldさんのミックス.金管の輝かしいサウンドにまずは注目です.思い切りよくハイを突いてあって,EQ次第でこの音も作れちゃうという証明になっていますね.奥行きのあるリバーブも特徴で,全体によくまとまった響きになっていると思います.なんとなく木管楽器への愛が感じられる,まろやかなミックスです.


rana版 mp3ファイル
<コメント>
2009年の2番手はranaさん.すっと耳から入ってくる,とても素直でバランスのよいミックスだと思います.メロディライン重視で,細かいところ云々よりもとにかく通して聴いたときの<全体像>が非常によく見えていらっしゃるという印象を受けました.主役と脇役の区別がはっきりしていて,中心線が一本すっと通った聴きやすいミックスだと思います.


マサト版 mp3ファイル
<コメント>
成人式終了と同時に大御所マサトさんが乱入(笑).前半の弦のつぶがクリアに聴こえるというマジカルなミックスで,どうやってるのか僕も聞きたいです(汗).バランスもとてもよく,ウェット目で臨場感にあふれた迫力のオーケストラサウンドだと思います.最後は硬めのフルートが弦の上空をすっと抜けて聴こえてくるなど,細かな技も光っていますね.






(温かい珈琲でも飲みながら,どなたもお気軽にご入室下さい)

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